11 Jun 2010

「日中市民社会ネットワーク」新設のご挨拶

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GLI事務局長より日本地区ネットワーカー及び支援者の皆様へ

 いつもお世話になっております。

 6月に入り、こちら上海は夏かと思えば、雨で涼しくなったり、変わりやすいこの頃です。「史上最大規模」の万博開催地として、毎日数十万人の観光客を迎え、通常よりも一段と賑わっています。

 さっそくですが、GLI東京事務所の今後について一つお知らせがございます。

 昨年の、創設者のロビン・ローランドさんの急な逝去によって、GLIは大きな転換を迎えようとしています。これまでGLIは、日ー中ー英を軸に、グローバルな社会的起業の情報共有と実践者の連携に取り組み、特に2007年からは日中間のNPO、社会起業家同士の関係づくりに全力投球してきました。2007年には、パートナー団体と一緒に、初の日中社会的起業交流プロジェクトを実現し、そこで出会った日本の代表的社会的企業と中国の農村開発支援団体は、その後も相互訪問を重ね、現在、中国での実務レベルの提携を進めるに至っております。

 このたび、対象地域を日中両国に絞り、日中市民社会の間の交流をより深いレベルで展開するため、来る7月より、GLI東京事務所を母体とする新しい組織、「日中市民社会ネットワーク」(仮名)が発足する運びとなりました。新しい組織の立ち上げに合わせて新しいウェブサイトも立案中であり、近いうち、新サイトのオープンとともに、GLI日本語サイトに蓄積された多くの資料を移設する予定です。

 私自身は日本を本拠地として活動することができないため、GLI発足以来の顧問である駒沢大学の李・ケンエン先生にリードを取っていただくことになりました。李先生は、中国市民社会研究の日本における第一人者で、これまでもGLIの数多くの日中関連の事業に関わって来られました。又、来月からはGLI東京事務所元スタッフの朱・ケイブンさんが、専任の事務局長として参加することになります。

 今後、「日中市民社会ネットワーク」とGLI上海事務所(環球協力社)とは、姉妹組織として、密に連携を取りながらも、お互いに独立とした組織として運営していきます。
 どうか今後も引き続き新しい組織の活動にご協力、ご指導いただきますよう、お願い申し上げます。

  私が2006年に日本から帰国し、GLIの上海事務所を立ち上げた時からの中国の状況を振り返ってみると、この数年は、経済の目覚ましい発展と社会問題の深刻化を背景に、「公益事業」に対する社会的関心が高まり、それに使える人的・財的資源も急速に増えていることを肌で感じてきました。特に2008年の四川大地震は、市民自身がパブリックの活動に目覚める大きなきっかけとなり、地域に根付いた活動を展開する草の根団体や、貧困、環境、教育などの問題に、ビジネス手法を用いて解決しようとする社会的企業なども、一気に広がる機運を見せています。

 しかし、その多くは歩き始めたばかりの小さな組織であり、市民社会の基盤も社会的環境もまだ整備されていません。私自身は今年も引き続きGLI上海事務所を拠点にしながら、市民活動をサポートする資金づくりをテーマとする中米間の新しいイニシアティブを立ち上げる準備を進めております。

 アジア並び世界各地のネットワーカーたちとの交流と連携を通して、ソーシャル・イノベーションをバックアップする社会資本の創出と、それをリードするチェンジ・メーカーの育成という二つの課題に取り組んでいきたいと思っております。

 いままでの私たちの活動にご参加、ご協力いただき、誠にありがとうございました。今後も何とぞご支援、ご指導のほどお願い申し上げます。

                                                       グローバル・リンクス・イニシアティブ
                                                       事務局長 李凡
                                                        fanli@glinet.org
                                                      2010年6月10日

 

GLIネットワーカー及び支援者の皆様へ

 いつもGLIの活動をご支援いただき、誠にありがとうございます。
 私は駒澤大学の社会学科で教員をする傍ら、微力ながらGLIの顧問として活動に関わってきました。
 事務局長の李凡さんからの挨拶にありますように、GLI東京事務所は、この7月から新しい組織として再出発することになりました。「日中市民社会ネットワーク」(仮)と命名したこの組織は、当面は、日本と中国に焦点を当てて事業を展開させていきたいと考えております。
 しかし、日中間に活動を留めておくことが目的ではありません。むしろ日本と中国の社会起業家、NGO/NPOの間で知恵とノウハウを共有していくことによって、さらには業務的な連携を進めていくことによって、「欧米発」のモデルとは異なる新たな市民社会のあり方、社会的経済のあり方を探り、発信していくことに組織の目標があります。

 私自身は1994年に来日し、東北大学大学院で社会学を学びました。
修士課程時代に偶然出会ったボランティアの皆さんの「かっこよさ」に魅せられ、お金でもなく、権力でもない力で動く「市民」の世界の研究に入りました。あれから15年間、日本の市民リーダーとボランティア団体、そしてNPOの研究をしてきたと同時に、2000年以降は、母国の中国にも目を向けるようになりました。

 中国は、政治と外交、そして経済と貿易の領域で世界を左右するほどの影響力を持っているだけではなく、市民社会の展開も著しく、目が離せません。
 あの巨大な中国にもし市民社会の空間が確立できたら、世界の市民社会と中国がつながるようになったら、きっと予想を超えるような市民社会の実践、理論の「超越」が生まれることでしょう。

 GLIの着眼点は、情報ネットワークによって世界中の社会起業家の知恵を共有をしていくことにあると思います。日中市民社会ネットワークは、中国と日本にフォーカスし、両国間で行う具体的な交流/研修プログラムとインターンシップを通して、類似分野で活動する両国の社会起業家、NGO/NPO同士を結びつけていくことによって、「発想」のみならず、具体的なスキルとノウハウ、経験と思想の共有を目指していきます。このような実践的なプログラムと同時に、両国のこの分野に関する積極的なケーススタディを行い、研究成果を蓄積していき、日本と中国の市民社会のエンパワーメントと社会的経済の連携を目標に、企業、行政、研究者、学生、NGO/NPOなど多様な立場にいる担い手をつなげていき、市民による新しい経済の動きとモデルが生まれるように、変化自在に仕掛けを考えていきたいと思います。

 なにとぞ引き続き私たちの活動にご注目、ご支援をいただきますよう、皆様の知恵と力をお貸しください。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

                    日中市民社会ネットワーク
                    代表 李・ケンエン
                    (中国語読み:り・やんやん)
                     mail@yanyan.li
                     2010年6月11日



1つの応答 to “「日中市民社会ネットワーク」新設のご挨拶”

  1. 郡山昌也 says:

    こんにちは。先日は、公共経営・社会戦略研究所のNPO・社会的企業交流サロンの「有機農業運動からオーガニックビジネスへ」を聞きに来ていただき、ありがとうございました。このブログ(ML)には、ロンドンの大学院に留学していた2006年から登録させていただき、メルマガなど拝読させていただいておりました。留学時代にはヨーロッパの市民社会を中心に研究しましたが、同級生に人民日報の記者がいて、中国の市民社会の可能性などについて議論していたことを思い出します。経済発展の目覚しい中国では、国策としても有機農業が発展してきているとも聞いています。今後とも、いろいろと教えて下さい。郡山昌也

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