28 May 2010

北京富平学校が来日

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        大地を守る会の本社にて

  5月中旬、中国の貧困削減をミッションとするNGO「北京富平学校」校長の沈東曙氏らのミッションが日本を訪れ、有機野菜宅配事業の草分けである「大地を守る会」ならびに「ホールアース自然学校」と交流を行った。GLIは事務局長の李凡がほぼ全行程に同行して通訳を担当し、自然学校部分と一部の大地を守る会見学に顧問の李妍焱准教授が同行した。

   北京富平学校は、著名な経済学者の茅于軾氏・呉敬璉氏、エコノミストの湯敏氏、レノボ創始者の柳伝志氏らが、2002年に設立したNGO。貧困削減・社会の公正と持続可能な発展の実現に向けて、職業訓練・互助ネットワーク・企業研修・マイクロクレジットなどの事業を行っている。2008年には中国初となるソーシャル・ベンチャー・キャピタルをレノボ等と共同で設立した。

  CEOの沈東曙氏は、企業家として成功したのち、富平学校の校長に転身した。2007年にGLIがETIC.、SVPと共に実施した第1回中国社会起業家訪日団に参加し、大地を守る会を訪問してそのビジネスモデルに感銘を受けたという。その後、両者は大地を守る会の藤田会長の訪中を含む数度の相互訪問を行い、中国の有機農業の発展について、意見交換を重ねてきた。

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     生産者の浅野氏と沈東曙氏(右)

 今回、大地を守る会モデルの更なる研究と意見交換の為に訪日したメンバーは4人。富平学校から沈校長と包旭日女史、ニューズウィーク日本版(2007/7/18)の「世界の社会起業家100人」にも選ばれ、現在は有機農産物販売を手がける趙翼氏、そして富平の農村開発拠点である山西省永済富平農村コミュニティ発展学校から、青年モデル農場の若手リーダー・韓磊氏だ。

  韓氏の住む永済市では、農家のリーダー数人の呼びかけにより2008年に有機聯合社を設立、40の有機専業農業合作社が800軒の農家を率いて、有機農業の道を歩んでいる。青年モデル農場は、有機綿花の栽培を主に、土壌改良・育種・堆肥作り・作物管理などの試験を行い、その技術と経験を農村コミュニティ発展学校の有機農業課程を通じて普及させているという。

 今回、大地を守る会のアレンジにより、一行は、本社・取引先スーパー・直営惣菜販売店・直営レストランでの見学と意見交換のほか、同社と20年来の付き合いがある千葉県山武市の生産者組織「さんぶ野菜ネットワーク」を見学した。

 また、週末には、同社の会員交流イベント「やさともりで春の里山を体験しよう」に参加するため茨城県石岡市の旧八郷(やさと)地区に向かった。ここには同社が会員や生産者との交流の場として整備した「やさともり」という森があり、家族連れで参加している会員とともに、地元名物・北浦シャモの古代焼きに舌鼓を打ち、子ども達とサワガニを捕まえるなどして、自然に親しんだ。

 その後は、日本で唯一、有機農業部会がある農協として有名な「JAやさと」を見学。夫婦で2年間という有機農業研修生制度等のあらましを伺ったあと、実際に研修2年目に入ったというご夫婦に話をうかがうことができた。都会でIT産業に従事していたご主人とレンタカー会社に勤めていた奥様は、結婚してもお互い仕事が忙しくてすれ違い生活だったが、今は環境のいい石岡で、二人で長い時間一緒に過ごせて嬉しいし、将来はもっと広い面積で有機農業を営みたい、と楽しそうに話していた。韓氏は永済で、農業研修生がすぐ辞めてしまうという問題に悩まされてきたが、夫婦で募集するというアイディアと実際の研修生夫婦の明るい表情に、とても感銘を受けたと語った。

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    左から三人目が韓磊氏

 滞在の最終日に、一行は静岡県新富士にある日本初の自然学校、ホールアース自然学校本校と、ホールアースが運営を担う国立田貫湖自然学校を訪れた。環境教育と地域興しの分野でソーシャル・ベンチャーを起業する人材の育成に、自然学校との協力関係の可能性を探るという当初の目的を忘れてしまうほど、富士山のふもとにあるホールアースの抜群の自然環境と施設・プログラムの創意工夫に一行は感心し、地元のお母さんたちによる手作りのそば屋で家庭的なランチを大いに楽しんだ。田貫湖自然学校の施設づくりと運営の工夫も素晴らしかったが、何よりもホールアース本校のすべてが一行に強烈な印象を残した。いつか自分の故郷で絶対にホールアースのような自然学校を作りたいと、趙翼氏は決意を述べた。



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